めっちゃさわれる動物園に対し、契約更新しない旨、ピエリ守山から告げられていることが報道されました

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めっちゃさわれる動物園に対し、契約更新しない旨、ピエリ守山から告げられていることが報道されました

朝日新聞滋賀版にめっちゃさわれる動物園が退去を求められているという記事が載りました。にもかかわらず堀井動物園が「いられることになった」と滋賀県の動物保護管理センターに連絡していることが判明。公開質問状を出した有志一同で、再びサムティ株式会社及び双日開発商業株式会社に質問事項と嘆願書を送りました。(下記に全文を掲載)

結果として、両社とも回答は差し控えるとのことでした。

その後の中日新聞の報道によると「ピエリ側は昨年末、新たに一年間の契約延長を文書で提案。契約延長の条件として、新たな動物を導入しないことや、事前承諾なしに報道取材を受けないことなどを挙げたという。同意の回答がない場合、『速やかに法的手段に移行する』としている」とのことです。


平成29年12月19日

サムティ株式会社
代表取締役社長 江口 和志 様

お問い合わせ及び嘆願事項
ピエリ守山「めっちゃさわれる動物園」との契約を更新しないこと
及び飼育動物の移動先確保をお願いいたします

拝啓

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。私どもは、本年、貴社が所有するピエリ守山のテナントである「めっちゃさわれる動物園」及びそこで飼育されていたライオンのリオンにつきまして、公開質問状を送らせていただいた有志一同です。

2017年12月17日、朝日新聞滋賀版において「めっちゃさわれる動物園 岐路に」と題する記事が掲載され、「複合商業施設「ピエリ守山」(守山市今浜町)にある動物展示施設『めっちゃさわれる動物園』が、退去を迫られている」(引用)とあるのを拝見いたしました。

記事内で、ピエリ守山側は「契約更新しない」とのご英断を下されたとあるのを拝見し、私どもがこのことを大変歓迎していることをお伝えするとともに、事実関係の確認及び動物の行き先に関する要望をしたく、本書状を送付させていただきます。

同趣旨のものを運営会社である双日開発商業株式会社様にも送らせていただいておりますが、ご回答ならびにご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

問い合わせ事項:
第一種動物取扱業の登録においては、事業に使用される土地建物について当該業者が権原を有していることが要件となっております。そこで昨日、第一種動物取扱業の登録業務を行っている滋賀県の動物保護管理センターに問い合わせたところ、「堀井動物園から『ピエリ守山にいられることになった』との連絡があった」との回答がありました。

堀井動物園が新聞報道と異なる説明をしていることに驚きを禁じえず、事実関係について教えていただきたく存じます。「めっちゃさわれる動物園」との契約更新に関し、貴社の「更新しない」との方針に変わりはないでしょうか。

嘆願事項:
現在も「めっちゃさわれる動物園」には諸々の問題があり、「契約更新しない」との方針を維持していただきたく、何卒よろしくお願いいたします。
ただし、「めっちゃさわれる動物園」が退去した場合、動物の移動先が確保されていないことが危惧されることから、「動物の移動先確保」及び、それまでの「適正飼育」について嘆願いたします。

1.今起きている危険

  • ピエリ守山内に常時100種以上の動物が飼育され、2017年12月に至る現在も、新たなる動物の購入展示、繁殖、販売が実施されております。
  • 2017年夏に消防署による指導が実施されましたが、暖房機器を必要とする動物のいる冬には、火災の危険性が払拭されておりません。
  • 衛生面での懸念は残されたままとなっております。
    • 消防指導事項においては、「殺菌菌種の少ない」、「引火性のある」液体が園内全体に利用されていたことも指導対象となっていたかと存じます。(イソプロピルアルコール、通称プロパノール)
    • また、出産したばかりの家畜(ヤギ)の親子等をすぐふれあいに出すなど、食品を扱うショッピングモールでは不適切な展示がなされております。
    • 本年11月、環境省が「動物園等における飼養鳥に関する高病原性鳥インフルエンザへの対応指針」を改訂しており、鳥類を多数飼育する展示業者は対象となります。
  • 強度確保されていない手作り檻での飼育による危険性があり、今年起きましたダイオウサソリの脱走等、他動物の脱走の危険性もございます。
  • 園内では特定動物や絶滅危惧種に指定される希少種も飼育されています。特に特定動物はピエリ守山の施設内のみ飼養が許可された動物が存在します(野洲、守山の飼育場では飼養許可がない)。特定動物であるサーバルキャットが繁殖しており、幼齢の子の展示が既に行われています。今後過密飼育になる懸念もございます。
  • 「めっちゃさわれる動物園」の面積を超える多頭飼育により、これまで多くの行政からの指導が入っていることを確認しております。
  • 公益社団法人日本動物園水族館協会からも指摘のあったライオンのリオンですが、飼育施設が狭く、その健康管理も不十分だと指摘され、8月末に県外への移転が行われましたが、園は依然として行方を公開していません。
  • 「めっちゃさわれる動物園」を運営する堀井動物園には、2つの飼育場がありますが、既にこれらの飼育場でも多頭飼育による崩壊現象が生じていることと見受けられます(多数の死亡や劣悪飼育)。このような事業者に今後もテナントを貸し出し、動物の適正飼育を一任することは困難と思われます。

2. 貴社が今後果たすことのできる役割

 上記のような諸問題・危険事項がございますが、ライオンのリオンの件で、よりよい環境への移動をご検討頂きました貴社には、何卒「めっちゃさわれる動物園」内の動物の移動先確保後の撤退依頼を願いたく存じます。

しかし、いたずらな契約延長はするべきではなく、閉園させた上でスペースを一時貸しするなどし、期限を切ったすみやかな撤退と適切な飼養施設の確保、動物の譲渡等を行えるよう、堀井動物園に協力してください。私どももできる限りのご協力ができればと考えておりますが、これまで同園をピエリ守山の看板テナントに据え続けてきた責任が貴社にはあると考えております。
 
3. 飼育動物の移動先の確保

動物福祉に配慮した展示動物の飼育がなされていない現状は、貴社並びに滋賀県へのイメージ低下にも繋がります。事態の進展に鑑みて、残念ながら現状の飼育は適正でないと認められ、動物の譲渡、並びに適正飼育への考慮を願いたく存じます。

4. 補足

  • 「堀井動物園」では、ピエリ守山リニューアルオープンの2014年(平成26年)12月以降に、以下の問題があったと認識しております。以下最近の内容となります。(公にされていない内容もふくまれます。)
    • 特定動物(ハクトウワシ・アビシニアコロブス)の無許可飼育(動物愛護法違反、但し立件されず)(平成27年9月)
    • 県外(お台場ヴィーナスフォート)にて、移動動物園先での飼育管理状況不足によるイベント中止(平成28年1月)
    • サーバルキャットのオスが来園数日で死亡(平成28年3月)
    • キリンを輸入するも1か月半で死亡(平成28年11月~12月)
    • ピエリ守山内での「ダイオウサソリ」10匹の脱走、9日間(平成29年1月)
    • ライオンの流血で炎上(平成29年6月。拡散された写真は平成28年12月のもの。ただしSNSでは9月頃から出血の写真が認められる)
    • フェネック等疾病動物の展示(平成29年6月) 
    • 公益社団法人日本動物園水族館協会からの表明(平成29年8月)
    • 消防の立ち入り、検査、指導(平成29年9月)
    • 県外、移動動物園先での飼育管理状況不足によるイベント中止(平成29年10月)
    • イオン株式会社の移動動物園廃止の方針のきっかけとなる(平成29年10月~)
    • 県動物保護管理センターからの指導(通年)
    • 飼育場への警察の出動(複数回)
    • 野洲飼育場での、農地法違反(現在も解消されず、原状回復及び立退きを指導されている)

 
上記理由につき、
過去に公開質問した際、寛大なるご対応を頂きました貴社には、切にお願い申し上げます。

敬具